In the French style
ジーン・セバーグ主演の「フレンチ・スタイルで」(アメリカ/1963年)
という幻の映画がソフト化されたみたいですが、
"フレンチ・スタイル"と聞いて
思い浮かべるスタイルはどんなものでしょうか。
「勝手にしやがれ」のような
ボーダーのトップスに足もとはレペットのようなフラットシューズで
セシルカットが似合う少しマニッシュなスタイル?
「8人の女たち」に出てくるような
華やかで60年代的なクラシックなガーリースタイル?
それともジェーン・バーキンのように
コットンブラウスと洗い晒しのデニム、籠バッグのような70'sスタイル。
エレガンスなドレスアップスタイルも。
どのスタイルもみな、品の良さと華やかさをまとったパリジェンヌたち。
ファッションは、佇まいや、雰囲気といった
目に見えないその人の内面を映し出すような気がします。
フランス映画によく見られるワンシーンで特に好きなシーンがあります。
それは、コートを着た女の子がパリの街角に佇むシーンです。
それだけでなんだかパリジェンヌ感が漂っているように感じます。
「何が何でも首ったけ」のブリジット・バルドー、
「パリのところどころ」のジョアンナ・シムカス。
こういった映画を観ていると、
フランス女優の仕草や佇まいから、ファッションそのものを凌駕する
エレガントなフレンチマインドが感じられ、
よりファッションを素敵に見せているように思います。
日常の合間にちょっとフレンチな時間を楽しむための映画や音楽に本。
フレンチシックなお気に入りと暮らしを彩るものたち。
- Cinéma【Les Parapluies de Cherbourg*シェルブールの雨傘/1964年】
- Books【AUDREY STYLE 】
- Music【Françoise Hardy*Comment te dire adieu/1968】
- Cuisine Time【キッチンに花を添えて*】
- Ustensiles de cuisine【控えめな可愛いさ*アピルコのテリーヌ型*】
- 2021 Calendar【控えめな可愛さ*ヒュッテペーパーワークスのカレンダー*】
- Bon appétit One plate【あまりものでワンプレート*】
- Sugar Craft【マシュマロフォンダントでシュガークラフト*】
- Fashion【フレンチスタイルで*定番のトレンチコート*】
- TRENCH TRIP【The Paris Sisters*Dream Lover/1964】
Cinéma【Les Parapluies de Cherbourg*シェルブールの雨傘/1964年】
トレンチコートがこんなにも素敵に見える映画なんてあったでしょうか。
シェルブールで雨傘店を営むエムリ夫人の娘役のカトリーヌ・ドヌーヴ。
裕福な暮らしを望む母の勧めで宝石商カサールと結婚するけれど・・
「昔、ローラという女性を好きになり失恋した」カサール。
「シェルブールの雨傘」はアヌーク・エーメ主演の
港町ナントを舞台にした「ローラ」の続編でもあります。
カサールは、ローラに振られ旅に出る、
そこで辿り着いた先がこの「シェルブール」というわけです。
ビーハイブ(蜂の巣)と言われる60'sヘアスタイル。
かつて結婚を誓い合い、
生まれた子供の父親でもあるギィの前に現れるジュヌヴィエーヴ。
この映画はカトリーヌ・ドヌーヴの美しさ、
ジャック・ドゥミ監督の色彩のセンス、
ミシェル・ルグランの感動的な音楽、
"ローラ"から傷心してやってきたカサールの再登場。
そして表面的な華やかさとは裏腹に、表立って描かれることのない
戦争や、父親の不在、皮肉な運命の反復、
ブルジョワ的価値観など、物語の影にあるテーマ、
全てが絶妙に混ざり合って珠玉の映画に仕上がっているのだと思いました。
戦争により、はなればなれになった恋人たち。
最後は、雨ではなく、白く美しく儚い雪が舞う中で
かつて愛した最愛の恋人と再会し、また別れる。
無言のうちにお互いの人生を理解し、時の流れを感じ、
それぞれの人生を歩んでいく。
結婚というかたちの別れもあること。
過ぎ去った時間は取り戻せないという、当たり前のことに対する残酷さに
心を打たれずにはいられないストーリー。
この、ローラ三部作とも言われるジャック・ドゥミ監督の
"おしゃれ映画"だけにしておくにはもったいない。
見方を変えるともっと奥深く、特にラストシーンは
誰しもが心の中にずっと残しておきたい大切な思い出や
忘れられない記憶が喚起される映画でもあるように思います。
Books【AUDREY STYLE 】
あなたが私にくれたもの♩ヘップバーンの写真集♩
懐かしい歌を思い出してしまいました。
誕生日プレゼントにもらったオードリー・ヘップバーンの本。
ジバンシーのミューズだったオードリー。
オートクチュールの香りが漂う優雅なドレススタイルや
今見てもモダンなパンツスタイル。
無名だったオードリーを抜擢して一躍スターにした
コレットとのエピソードや、
「パリの恋人」に影響を受けて
ファッションデザイナーを志す人が沢山いたという逸話や
主演映画のエピソードを織り交ぜながら往年に至るまでの
オードリーのフォトグラフィーが満載。
夜な夜なリビングでフランス映画を見ているからか、
誕生日にはなにかしらフランスにまつわる何かをくれる夫。
次のプレゼントは何かしら?(笑)
Music【Françoise Hardy*Comment te dire adieu/1968】
初めてフランスに行った時、空の上で聴いていた
「さよならを教えて」
有名なイントロはどこかで耳にしたことがあるのでは。
Françoise Hardy - Comment te dire adieu. 1968
最近、「アルディのおとぎ話」というアルバムに収録されている
「月の花」という曲を聴き、こんなに素敵な曲があったんだ・・・と
余韻に浸っていたら昔々の高校時代に初めて聴いた
フランソワーズ・アルディのアルバムを聴きたくなり改めて聴いていました。
当時はこの良さにあまり気づかなかったけれど、
こんなに良かったかな?と思うほど良くて、
フランソワーズ・アルディは60年代のイエイエアイドル全盛期のフランスでも
知性派で真面目な雰囲気をまとっていて、
学生時代は、そういそう少し優等生なタイプよりも、
ブリジット・バルドーや、アニー・フィリップのような
スウィンギン・マドモアゼル(ビートの効いたフレンチ)のような
明るい雰囲気の曲が好きだったけれど、
30代の今は、しっとり浸れる音楽が
傷を癒してくれるような音楽が(なんだか、歳を重ねたんだなと感じる…)
心地良いのです。
正統派なフランソワーズ・アルディの魅力に改めて気付いたこの頃です。
(以下ここ1ヶ月くらいの日常の回想)
Cuisine Time【キッチンに花を添えて*】
キッチンの小スペースにドライフラワーのガーランドを飾ってみたら
お料理中少し視界に入って、なんだか良い気分。
コロナ禍で先行き不安な現在、
巣籠もり生活で花のある空間に癒されるのも良いものです。
Ustensiles de cuisine【控えめな可愛いさ*アピルコのテリーヌ型*】
長く使いたいキッチン小物。
我が家は少々不便なターンテーブル式のオーブンレンジを
いまだに使っているのですが、先月パテを作るのにテリーヌ型が欲しくて
どんな物が良いか迷いに迷って、小さめのアピルコのものに決めました。
(なぜなら大きいとターンテーブルが回らなくなるから。笑)
パウンドケーキやケークサレも焼けるかな。
小ぶりなサイズ感ですが、丁度良く食器棚に収まってくれ、
ガラス窓から可愛く姿を覗かせてくれています。
2021 Calendar【控えめな可愛さ*ヒュッテペーパーワークスのカレンダー*】
2020年から使い始めたヒュッテペーパーワークスのカレンダー。
過ごす頻度が多いキッチンに置いてます。
毎月、どんな花かな〜?とめくるのが楽しみです。
Bon appétit One plate【あまりものでワンプレート*】
お正月に使った食材が余ってしまったのでワンプレートに。
最近はお正月用のおせちのカタログに色んな洋風おせちも載っていますね。
我が家は、夫がお正月には「おせちは食べたいかな〜」派で、
いつも定番に沿ったものを一応用意しますが、私はわりと何でも良い派。
いつか洋風おせちにトライしてみたいなぁなんて密かに思っています。
Sugar Craft【マシュマロフォンダントでシュガークラフト*】
パティシエを志していた友人が、
「お菓子はむしろ芸術として捉えていて・・」と
いつだったか話していたけれど、本当にその通りですね。
色とりどりのフルーツの組み合わせ、口金で色んな形のクリームを描いたり
マジパンも、まさにアートそのもの。
自己満足の域で楽しんでいるお菓子作りですが、
出来なかったことが、出来るようになると、
子供のように嬉しくなって、また何か新しいことに挑戦してみたくなります。
Fashion【フレンチスタイルで*定番のトレンチコート*】
シェルブールの雨傘を観ていたら
久々に手持ちのトレンチコートをきちんとプレスでもして
お手入れをしようと引っ張り出してきました。
もうかれこれ5年以上着ているトレンチコート。
どんな時代もどんな人にもフィットする定番アイテムですね。
新しい会社へ入社する日ドキドキしながら袖を通したことや、
帰省の時、空港でコーヒーをこぼしたこと
(ちゃんと綺麗に染み抜きしましたよ〜笑。)
色んな思い出が蘇りました。
TRENCH TRIP【The Paris Sisters*Dream Lover/1964】
トレンチコートといえば、この曲。
The Paris Sisters - Dream Lover (1964)
60年代のガールグループ"Paris Sisters"の歌う
Dream Lover(原曲はBobby Darin)
もう数年前に"TRENCH TRIP"と題して某ファッションメーカーの
トレンチコートのPVに使用されていたのですが、
とても大好きな曲で、そのPVを手掛けたのも、あのジア・コッポラ
(ゴット・ファーザーでお馴染みフランシス・フォード・コッポラの孫。
ソフィア・コッポラが叔母さんってことですね。)という。
スタンダードに知れ渡る曲ではないかも知れませんが、
私の中ではロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」と同じくらいの名曲で、
本当に良く聴いていた思い出の曲です。
ボビー・ダーリンのオリジナル曲はどちらかというと
明るい典型的なオールディーズノリでチャラチャラした感じ(称賛してますよ。笑)
それに対して、パリス・シスターズは、
究極のラブソングみたいに仕上がっているのが面白い。しっとりドラマチック。
同じ曲でも、アレンジの仕方でこうも変わるのかと驚きます。
ロネッツに、パリス・シスターズといえば、
ウォール・オブ・サウンドの生みの親でもあるフィル・スペクター。
先日の訃報が心にズシンときました。
生前は色々とある人でしたが・・、音楽の美しさは絶品です。