フランス映画「MANON 70」(1968)

 恋のマノン

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カトリーヌ・ドヌーヴ主演

ファムファタールなマノンによって身を滅ぼす騎士を描いた

アベ・プレヴォーの「マノン・レスコー」を下敷きにした

ドヌーヴ演じるマノンの華麗なるファッションと魔性っぷりが見どころの本作。

 

オープニングのファッションショーのバックステージの着替えシーンから

エマニュエル・ウンガロの60'sフレンチな衣装に目を奪われ

それを着こなすブロンドのカトリーヌ・ドヌーヴが美しく

そして、セルジュ・ゲンスブールの手掛ける音楽も

映画の雰囲気にピッタリとマッチ。

 MANON70 Opening Credits(1968)

ピエール・カルダン風近未来的なコスモコール・ルックのような

華やかな60年代のファッション。

Aラインのミニワンピースにロングブーツ、バイカラーにデイジーモチーフ、

モデル達が、最先端のモードに身を包みステージでパッとポーズを取る

全盛期のウンガロのファッションがショーとして収められている

貴重な映画でもあると思います。

 

そのウンガロのショールームが、まあかわいいこと!

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マノン(ドヌーヴ)に翻弄される

ダメ男系新聞記者のデ・グリュー(サミー・フレイ)

 

これからファッションショーでも始まるのかと思いきや

映画冒頭から「初詣参道」の提灯🏮(笑)

Est-ce le Japon?🇯🇵

毛皮のミニコートにエナメルブーツで

バービー人形のようなドヌーヴが羽田空港に佇むちょっと嬉しい違和感。

 

初期の東洋人パリコレモデルとして活躍された松本弘子さんが出演している

フランソワ・トリュフォーの「家庭」のように、

ジャパニーズモダンをフューチャーさせたエキゾチック感もあり

カトリーヌ・スパーク主演の「女性上位時代」のような

ファッショナブルで奔放なヒロインを描いた艶笑コメディ感もあり

イヴ・サンローランのミューズであったドヌーヴの

「昼顔」や「暗くなるまでこの恋を」といった

ちょっと影のある退廃的な淑女(・・のような悪女でしたが)の

イメージとはまた違ったファッションとキャラクターを堪能できる映画でした。

 

ラストは、衝撃の展開によりなんだか

アメリカンニューシネマを見ているような気分でした。

贅沢三昧で優雅な装いしかしないドヌーヴが

洗いざらしジーンズにヨレヨレのTシャツに裸足で(なのに上品)、

サミー・フレイに「誘惑は得意だろ」とか言われながらヒッチハイク(笑)

サミー・フレイが、最後、これでもかと言うくらい

ドヌーヴに罵倒されるのがちょっと可哀想でしたが、

エレガントなお嬢様からワンパク少女のように

身をひるがえしたマノンが微笑ましかったです。

 

ドヌーヴが主演したフランソワーズ・サガンが原作の

"La Chamade"「別離」ではどんな演技を披露されているのか、

ますます興味が湧きました。

いつか観たいけれど、日本ではまだソフト化がされていないようですね。

 

この「MANON 70」も、ドヌーヴ作品では他の作品に比べて

それほど大々的に取り上げられることはあまりないように思うけど

もっと評価されても良い作品なのでは?と個人的に思いました。